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「双眼鏡を覗いてみたら」~風師山~(シリーズ⑪)
投稿:2014.06.06
タワーの南側、関門海峡対岸の大きな山の上にちょこんと岩が覗いている。標高364m風師山の風頭(かざがらし)岩峰である。風師山は、この山頂の岩場の形を昔の人は優雅に山桜のカンザシに見立てて名付けられたとも、また「風を司る神の山」として、航海安全・豊漁を祈願したことから名が付いたとも言われている。
山頂の稜線に沿って双眼鏡を望みこむと、木の蔭に車が駐車しているのが見える。また別の所にこちらを向いた人も見える。私も一度行ってみたい。先週の金曜日、仕事が終わって、車を飛ばした。門司港の門司税務署の角を山に向かって急な九十九の狭い道を上る。稜線に出ると大木の生い茂る木でできた長いトンネルを西に進む。ヘッドライトが必要だ。所々の木の間から漏れ見える新緑が眩しい。海峡ゆめタワーが正面に見える駐車場に到着。カメラマンのWさんが来ていた。彼の案内で風頭岩峰をめざす。林の中の細い小道を一旦下って登りの15分で岩峰に登頂。さわやかな風を感じながらの山頂からの関門海峡の眺めは最高だ。大きく曲がった関門海峡が目の前に迫り、そこを上り下りの船が行き交い、その先に響灘が広がる。すっぽり見える下関の街並みが別の世界に感じられた。日が沈むにつれ夜の帳が広がるなかで街の明かりがぽつぽつと点いてくる。何か寂しい中にも満ち足りた気持ちだった。Wさん有難う。この日は黄砂等で少し霞んでいた。梅雨の晴れ間にもう一度来よう。
写真は「タワーから見た風師山」と「風師山風頭岩峰からの夕陽と下関」